四海の外に遊ぶ

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作中の竜について

よく晴れた3月13日、学部4年・修士課程2年合わせて6年間通った母校を卒業しました。
長いことお世話になったものです、入学したのがもう遠い昔のようです・・・。
ここで学んだ知識は一生役立てていけることでしょう。

竜いろいろ

制作物からもわかるように、私は竜が好きです。
しかしそれは憧れや信仰心とかではなく、研究観察対象への興味という感じの、少し冷めているかもしれない視点からのものです。
あるときは神や悪魔や自然の力の化身だったり、またあるときは権威や幸運の象徴だったりと、そういうイメージが世界中で普遍的にあることはおもしろいし、それを知識として調べることは好きなのですが、自分が制作するときには関係が無いものとして切り離しています。
自分の作るものの中の竜はどれも善も悪もなく、自由にそこにいるだけの存在です。

でも学部の卒業制作から趣味を隠すのをやめて竜をモチーフに色々と制作するようになったこの2年間で、それまではなかった大きな変化が多々ありました。
展示で遠い土地へ行く機会があり、学会発表のきっかけもでき、多くの方々との出会いがあり、仕事のご縁があり・・・
作品の中の竜に興味を持ってくださった方々のおかげで、驚くほど充実した2年間を送ることができました。
どの瞬間もとても楽しかった!
それを思うと作中の彼らは、自分にとっての幸運の象徴だったのかもしれない・・・とも思いました。

各竜のどの世界観もまだほとんど表現できていませんが、これから時間をかけてそれぞれを制作していけたらなと思っています。
ご興味を持ってくださった方は制作の遅さにも目をつぶって、辛抱強くお付き合いいただけたら幸いです。
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敬意の形

サイト掲載の「婚姻では敬意が要求される」の解説など。

狼男と蛇女

2人は狼男と竜女です。
名前は元ネタからそのままもらってメリオンとメリュジーヌ。
それぞれアイルランドの狼男物語と、フランスの蛇(=竜)女物語の主人公です。
原典ではメリオンは妻に騙されて秘密にしていた狼の姿に永遠に変えられ、メリュジーヌは夫に見るなのタブーを課していたにも関わらず竜の姿を見られて破局に至るという、配偶者に裏切られた者同士であります。

リボンのラテン語標語は「婚姻では敬意が要求される」ですが、もしお互いに自分の正体に引け目を感じている者同士ならば、見るなのタブーにも事情を察して素直に従うし、
もしも相手の正体を知ってしまっても動揺したりせずに普段通りの生活を送り続けられるんじゃないかと考えたためにこの2人を選んだのでした。
気づいていても知らないふりをしてあげるというのも、相手に対するひとつの敬意の示し方ではないでしょうか。
他人のプライベートを断りなく覗き見た上、それをあげつらったりからかったりするとかは言語道断・・・。

ここからはそこから発展した創作設定ですが、絵の2人はとっくに相手の正体を知っている、そもそも知っていて好きになったけれども、そうとは知らず自分の秘密を隠し通さなければならないと思いこんでいます。
どこから見たってバレバレなのにバレていないと思っているのです。
滑稽ですが、身内ってまあ・・・そういうものじゃないでしょうか。
いつか穏やかに告白しあって、お互いに隠さなくてもよくなる日が来ればよいですね。

いつも会う君

サイト掲載の「親愛なる友に花束を」の解説など。

膝枕っこ


昔から異類婚姻譚に興味があって、いろんな国の物語や伝説を探したり読んだりしています。
その中に地域を問わず竜&人間の話も結構あるのですが、どうもどの話にも個人的につまらないと感じる共通の部分があるのです。
それは人間側の意識が大抵「竜の姿は怖い・醜いけど人間に変身した姿が美形だからまあいいか」みたいな感じであること。

豊玉姫やメリュジーヌのように「本性は竜なんだけど相手が怖がるだろうから人間に変身していてあげよう」な場合は、どうせ変身するなら美しくと思っての気遣いだろうから仕方ないとして、
美女と野獣型の、竜が呪いのせいで変えられていた人間だった場合はそれがストレートに表されてますよね。
見た目は怖いけど心根がいい相手だから…からの、性格もいいし顔もいいしラッキー!という風に。
野獣は最後人間に戻らないほうがいいとさえ思います。
せっかく相手の内面を理解して本当の愛情が持てかけていたのに、オプションで外見が「良く」なったらその意味が薄れてしまうような気がする。
元の、本当の姿を好きになってあげられる人間はいないのか!?と思うのです。

これはそういう思いをもって描いてみた絵でした。
女性は決して竜が美丈夫に変身することを期待して接しているのなどではないし、ここには竜を殺しに来る英雄もいない。
裏の森で散歩しているときにいつも出くわす竜と仲良くなって、今日もこっそり遊びに来ているだけです。
竜もすっかり気を許して、今日は会えるかなーなどと考えながら平和な日々を暮らしています。


西洋では竜は殺されるばかりと思っていたら、中にはこんな話もあるみたいですね。
龍と娘』『モーディフォードの竜』(Wikipediaへリンク)
龍と娘はその後が気になるいい話ですね。ずっと一緒に暮らせたのだろうか。
この絵の2人がモーディフォードの竜のようにならないことを願うばかりです。

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