四海の外に遊ぶ

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エラトナガ

Anguis naga nigris

エラトナガ
クロツノウミヘビ(黒角海蛇 Anguis naga nigris

海中に棲む蛇の仲間。強い毒を持つ。
鰭と櫂型の尾を使って泳ぎ、生涯を水中で暮らす。
遊泳力が高い反面、腹面の鱗が退化しているため陸に上がると全く身動きがとれない。
小さな角と髭を持つ見た目から、龍と誤認されることがよくあるらしい。

海流を読み誤って浜に流れ着き、身動きが取れなくなっているところをヴィアトルに発見された。
その後無事に水中へ戻されたようだ。
体長は80cm程度と小さいが、強い神経毒を持っている。
気位が高く態度はいささか尊大だが、受けた恩は忘れない義理堅い性格。
助けられた礼として、呼ばれたときには駆けつける約束をしたらしい。


エラトナガ(elatunaga)は「elate(傲慢に)」「elatus(誇らしげな)」「elapidae(コブラ科)」「naga(ナガ、蛇、龍)」から付けた名前。
偉そうなドジっ子です。
体色の黒と黄色が目にも毒々しいですが、この生物のモチーフとなったヘビがあります。
セグロウミヘビ(背黒海蛇)です。
このウミヘビは出雲地方で龍蛇さまと呼ばれて珍重されているおもしろい存在です。

『蛇』(吉野裕子著)、『蛇 不死と再生の民俗』(谷川健一著)によると。
出雲の海は季節風によって11月の中旬頃に荒れ、その影響でセグロウミヘビが普段乗っている黒潮から押し流されます。
黒潮の温かい水からいきなり冷たい水に放り出されたウミヘビは弱り、じきに海岸に打ち上げられます。
このヘビは蛇腹状の腹板が退化して無くなっているため、地面を這って進むことができません。
そうしてもはや動けなくなっている瀕死の個体を人が発見し、竜宮の使いとして神社に奉納しているのだそうです。
またこのヘビが海を泳いでいるときは、腹の黄色が反射するのか光って見えるのだとか。
もともとの蛇信仰に加えて、コブラ科で強い毒を持っている、荒れた海からやってくる、光るなどの特徴からこれはただ者ではないと敬われているということでした。

また話が変わって、竜は笛を好むという話が中国から伝わり、日本でも定着しています。
水神に気に入られた人(盲人が多い)は笛の名手になるという話もあります。
というのは実は、昔は盲人が琵琶法師のように笛の演奏で生計を立てていて、水場の工事の際には盲人が体のいい理由付けで水神への人身御供に選ばれていたことが由来なのではないかという説が出ていたり・・・
夜口笛を吹くと蛇が来るという迷信は、口笛によって水神(竜)を召喚するまじないのなれの果てではないかという説もあるそうで。

なんだか話が呪術的になってきましたが、そういうわけでエラトナガを呼ぶ合図は口笛なのです。
ヘビの文化話はネタの宝庫ですね!

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